研究協議Tのまとめ

 参加者81名が5班に分かれ、各学校から提出されたレポートに基づき、「総合的な学習の時間への取組」の現状と課題について報告してもらい、質疑応答及び研究協議を行った。その概要は次のとおりである。

1 高等学校の分科会

(1) 各学校からの報告

 普通高校では、検討委員会や研究チームをつくり、指導計画案づくりや指導計画案の検討を行っているところが多い。

・来年度から実施予定のため、現在指導計画づくりの最中である。三つの大テーマ(大きな社会、身近な社会、自分自身)の中に、それぞれテーマ(約100テーマ)を設定し、選択させるつもりである。(普通高校)
・委員会での検討で、学校行事を総合的な学習の時間に当てはめられないかという声も強かったが、勉強を進めていく中で、根本的なところから考えようということになった。(普通高校)

  職業学科をもつ高校は、課題研究で代替する予定のところが多いが、一部又は全部を総合的な学習の時間を実施する予定の学校もある。

・課題研究で代替するか総合的な学習の時間を行うかを検討した結果、全職員で取り組みたいという意向で固まり、総合的な学習の時間を3単位、課題研究とは別に行い、生徒のライフプランを中心とした学習活動を行うことになった。(商業高校)
・課題研究で代替するにしても、総合的な学習の時間の学習活動として耐え得るようなものにしたいので、全職員で検討した。検討の結果、課題研究で代替することになった。(工業高校)
・課題研究で2単位は代替するが、1単位は、1年生で総合的な学習の時間を実施する予定である(農業高校)

(2) 質疑応答及び協議の内容

ア 職員の共通理解、意識改革について

 総合的な学習の時間の検討を行っている職員や担当している職員と委員会に属さない職員の間に、意識のずれがみられる学校が多い。職員全体に「総合的な学習の時間」の意識をもたせるため、現在行っていることや、実際に成功した例が紹介された。

@ 職員全員が指導計画案を実際に作成してみる。
 (本年、夏季休業中に行った学校がかなりあった)
A 「総合的な学習の時間」の核になる先生が、各学年、各分掌等で啓発活動を行い、輪を広げる。
B 委員会に若手の職員を入れ、若い人の考えや意見を指導計画に生かす。
C 小委員会が中心となって、指導計画を作成し、まず実施してみる。試行錯誤を重ねるうちに、職員の意識改革が進み、うまくいくようになる。そのためには、 ある程度の時間が必要である。(専門学科で課題研究を実施したときの例)

  共通理解が進んでいる学校の参加者の発言には、「管理職の先生方のリーダーシップによるところが大きい」ことが共通していた。

イ 各学校で考えている学習内容・活動等について

 総合的な学習の時間が教育課程上必置になることにより、特別活動、中でもホームルーム活動をどのような内容で実施するかが問題になるようになった。今一度、学校の教育活動全体をどうするか、教科・科目、特別活動、総合的な学習の時間、それぞれの枠組みをどうするかを考える必要がある。

ウ 施設設備、予算、外部講師について

 普通高校では、指導計画案づくりや指導計画案の検討を行っているところが多いので、実施上の課題や問題点が次々とわいてきているのが現状である。

・交通費、保険の費用をどうするか。
・校内の施設は一杯になりはしないか。
・体験学習に引率教員を付けなくても問題ないか。
・企業等の受け入れ先が確保できるか。

  実践校に実施状況の具体的な詳細を尋ねる質問も多くあった。

・近くにある大学の協力を得て、総合的な学習の時間を実施している。コンピュータは大学のものを借用させてもらっている。学級数が減少しているので、空き教室が多く、教室等の施設は余裕がある。(普通高校)

2 特殊教育諸学校の分科会

  参加者13名で、レポートやアンケートから浮き彫りになった当面する課題を次の3点にまとめて、情報交換や研究協議を進めた。

(1) 校内組織とその機能の仕方について

 校内組織としては、総合的な学習の時間の主任を設けたり、教務部が中心になって進めたりしている学校が多い。しかし、実務的なことは、学年会や担当者会で検討し、まとめあげていく方法をとっている場合が多い。

(2) 外部講師の人材バンクづくりとその運用の在り方について

 ある学校は、校内に人材バンクをつくり、職員や保護者から広く情報を求めた。登録時に、ボランティアでお願いすることを伝えた。陶芸家などの方々に、手弁当で来ていただいている。
 謝礼に代えて、作業学習で製作した作品を講師に渡している学校も2校あった。
 各校の人材バンクに登録しているボランティアの情報交換ができるとよいとの意見もあった。

(3) 知的障害のある児童生徒の学習の進め方について

 知的障害の養護学校では、子供自身が課題を見付けることが困難な場合が多いので、ある程度教師が講座をいくつか用意し、子供が選択する方法をとっているとの報告があった。
 また、以前から校外で体験学習をしていたものを見直して、総合的な学習の時間に充てる方法もとっている。