「情報社会の中で生きる力をはぐくむ総合的な学習の時間の在り方」

            − 盲学校高等部普通科における取組−

                      愛知県立名古屋盲学校高等部 教諭 神田 正美

1 はじめに
 「生きる力」を身に付けることをねらいとした今回の学習指導要領の改訂を踏まえ,盲学校においては今まで以上に基礎基本の定着を根本に,生徒一人一人が自己実現していくための基礎となる力を身に付けるようにする必要がある。しかし,視覚からの情報は全体の約8割を占め,また,現代は情報社会であることを考えると,視覚に障害のあることで情報不足となってしまうことを危惧する。また,以前から視覚に障害のある子供は社会的な経験不足や主体的な行動に欠けることを指摘されることが少なくない。そこで本研究は,総合的な学習の時間を「生徒自身が情報の収集及び整理する方法を学習し,生活体験を充実させる時間」ととらえた。

2 研究の目的
 総合的な学習の時間の中で,様々な体験を通して,情報を収集し活用していく力,人や物への働き掛けを通して,自ら解決していく力を付けるための方法や生徒が主体的な活動をするための支援の在り方を実践を通して考察する。

3 研究の方法
 平成12年度は,総合的な学習の時間のねらい等の理解を深めながら,試行的に実施する中で問題点を探り,次年度の展開に向けての参考とした。平成13年度は教育課程に位置付けて展開し,実践の中から反省と課題を整理しながら,総合的な学習の時間の在り方を追究する。

4 研究の内容
 (1) 平成12年度
 総合的な学習の時間のねらい等の共通理解を図ることを中心に,現職研修の時間(12時間)で話し合いを行った。2学期に10時間程度の授業を行い,試行的に取り組んだ。ほとんどの生徒の発表はインターネットで情報収集し,それを報告するというスタイルであった。個々のテーマは関連するものが多かったことを踏まえ,次年度は次のような展開にすることにした。@「環境」「国際理解」「健康・福祉」「進路」の四つの大きなテーマを提示し,生徒自身が興味・関心のあるテーマを選択する。A選択後,各テーマごとで話し合い,それぞれの学習テーマを決定する。B学習方法は個人とグループのどちらでもよく,また,学年の枠にとらわれない形で普通科全体として展開した。 

 (2) 平成13年度
 1単位(35単位時間)をインターネットだけの情報収集にとらわれるのではなく,できるだけ体験的な活動となるように工夫した。学習テーマを決定する際には十分な時間をかけ,1学期には連続2時間の時間割を設定し校外学習を実施した。インターネット以外での情報収集の時間とするグループもあったが,2時間程度では行動範囲が限られるため十分な活動ができなかったという反省が出てきている。

5 今後の課題
 今後の展開として検討すべき内容を以下のようにまとめた。
・教師主導型となりがちなため,生徒の主体的な活動となるための支援の在り方を追究する。
・活動に対する評価やその観点についての研究を進める。
・反省と課題を整理し,次年度に向けて年間指導計画等を検討する。