「総合的な学習の時間に関する本校の取組と課題」


                          愛知県立安城南高等学校 教諭 都築 知久

1 はじめに
 本校は,平成11年度から文部科学省の研究委嘱を受け,「たくましく生きるための自己教育力の育成と自己実現−社会の変化や生徒の能力,適性,進路及び興味・関心に対応した普通教育の改善と充実−」とする研究主題の下,本校生徒の実態を踏まえた教育課程の改善に関する研究を行っている。特に,総合的な学習の時間の運営方法,指導方法について実践的な研究を進めている。

2 研究の目的
 本校生徒にとって,「主体的に学習等に取り組むことのできる能力や態度を育成すること」「体験的な学習活動等を通して進路意識の高揚を図ること」が必要であると考え,この観点から,総合的な学習の時間について運営方法,指導方法等の在り方を明らかにする。

3 研究の内容
高校生活における3年間で自己教育力を育成し,「自分探し」を行わせるため,「自己探究」「自己発見」「自己実現」と学年ごとに段階を追って学習活動を行わせる。
 (1) 平成11年度(第1年次)
 本校生徒の現状を踏まえ,生徒一人一人が「自分探し」をするための基礎をつくる学年とした。
  「自己探究」をテーマとして全員に六つの「共生」講座を順次体験させ,「社会の中での自分の役割」について具体的に考えさせた。

 (2) 平成12年度(第2年次)
 第1年次の実践で学習した経験・知識を生かし,深化させる学年とした。
「自己発見」をテーマとし,生徒がそれぞれもっている興味・関心をベースに主体的に「グループ別『共生』講座」を実施した。

 (3) 平成13年度(第3年次)
 本年度は,第1・第2年次の実践の改善を図るとともに,2年間の総合的な学習の時間の中で培った経験と知識を基礎にして,高校生活での「自分探し」の最終目標である「自己実現(進路実現)」をテーマとした。そのために,進路希望を踏まえた「課題研究」として,「自己の在り方生き方」を中心に課題を設定させ,主体的に調査研究等に取り組ませた。研究成果はホームルーム等において発表させるとともに,3年間の自己の取組と成果について自己評価させた。また,3年生が1・2年生の指導・助言に当たる機会を設けることによって,成果の実質的な活用を一層図った。

4 今後の課題
 (1) 活動の内容に応じて集中方式(まとめ取り)で実施したため,各教科・科目の時間数や準備のための職員打合せ時間の確保,体験活動に要する経費等が課題として残った。また,総合的な学習の時間に対する地域・企業及び大学等の理解・関心がまだ低く,本校の実施内容を理解していただくため,PRの仕方等を工夫する必要がある。
 (2) 3年間の実施の中で,生徒個々によって,自己実現に向かう意欲や態度に差が出てきた。今後は,更に生徒の実態に応じた指導及び「自己実現」講座を展開していきたい。
 (3) 生徒の主体的なグループワークや体験学習の事前・事後の指導,複数の教師による教科横断的な指導,ティーム・ティーチングを導入した指導等に教科の授業改善につながるヒントがあった。この体験活動の手法を教科指導に積極的に結び付けていきたい。