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教育課程審議会答申には、総合的な学習の時間の評価について次のように述べられています。
「総合的な学習の時間」の評価については、この時間の趣旨、ねらい等の特質が生かされるよう、 教科のように試験の成績によって数値的に評価することはせず、活動や学習の過程、報告書や作品、 発表や討論などに見られる学習の状況や成果などについて、児童生徒のよい点、学習に対する意欲 や態度、進歩の状況などを踏まえて適切に評価することとし、例えば指導要録の記載においては、 評定は行わず、所見等を記述することが適当であると考える。
つまり、数値的な評定は行わないが評価は行うということです。そしてそれは、学習の状況や成 果などについて、生徒のよい点、学習に対する意欲や態度、進歩の状況などの観点で適切に評価す るとしています。
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□<何のために>
総合的な学習の時間のねらいは簡潔に言うと「生きる力」の育成です。ということは、「生き
る力」を育成するために評価すると考えなければなりません。
□<何を>
「生きる力」は端的に言うと、「問題解決能力・情報活用能力」と「豊かな人間性」であり、「
たくましく生きるための健康や体力」がその基盤にあります。すなわち、学習課題に対する理解度、
問題解決能力・情報活用能力と豊かな人間性の形成を評価すると考えられます。
□<どんな観点で>
教育課程審議会の答申では観点として、@学習者のよい点、A学習に対する意欲や態度、B進歩の
状況などの三つが挙げられています。
□<どのように>
答申では、活動や学習の過程、報告書や作品、発表や討論などに見られる学習の状況や成果などに
ついて評価すると記載されています。また、評定は行わず所見等を記述することが適当であるとされ
ています。
【参考】
学習の評価には二つの評価があります。学習の終了時に行う評価と学習の途中で行う評価です。あ
らゆる学習において両者の評価は必要となり、密接に関係しています。前者の指導後の評価は次の学
習において重要な意味をもつものであり、後者の指導中の評価はその学習において重要な意味をもち
ます。ともに、広くとらえると指導のための評価であり形成的な評価であると考えられます。
総合的な学習の時間においては、指導後の評価も大切ですが、指導中の評価がより大切な意味合い をもっています。総合的な学習の時間では、主体的に問題を解決する学習が大切です。学習者が学習 の過程においてどのような活動を行っており、次の学習にどのように進もうとしているのかを教師側 が的確に把握しなければなりません。それによって教師は、学習者に対して適切な支援を行い学習の 方向を修正したり助言をしたりすることができるのです。
総合的な学習の時間の評価では、次の学習の支援のために個人やグループの学習状況をいかに正確 に把握するかということが大きな課題です。
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総合的な学習の時間の一つのパターンとして考えられる学習過程は、課題の発見、問題解決のプラ ンニング、問題解決のための探究活動、まとめという流れになります。それに沿った観点としては、 「学習過程や学習結果の観点」「意欲や関心の観点」や「生徒相互関係の観点」等が考えられます。
(1)学習過程や学習結果の観点例
・自分たちの身の回りのことから、自分で課題を見付けているか。
・問題解決の方法に沿った学習活動ができているか。
・課題の目的に沿った学習結果が得られたか。
・取り組んできたことを、目的に沿ってまとめられているか。
・取り組んできたことを、うまく発表できたか。
・次の課題につなげることができているか。
(2)意欲や関心の観点例
・日ごろから身の回りのことについて興味や関心をもつて見ているか。
・課題に対して、積極的に粘り強く取り組んでいるか。
・課題に対する達成感や成就感があるか。
・やったことを発展させようとする意欲があるか。
(3)生徒相互関係の観点例
・仲間の意見をよく聞くことができたか。
・自分の意見をしっかりと言うことができたか。
・仲間とうまく協力してできたか。
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評価活動では、学習過程や次の学習に生かす評価情報をどのような方法で収集し、これを資料化して 活用することができるかが大切な観点となります。具体的な評価活動において工夫、配慮しなければな らないこととして、次のようなことが考えられます。
(1)試行錯誤の学習で学ぶものを大切にする。
体験活動及び探究活動など、試行錯誤しながらの学習では、生徒からのさまざまな疑問・反省・感想
・発見等を生かすことに努めましょう。
(2)生徒の自己評価を大切にする。
次の学習に生かす学習成果の総括的評価を含め、学習過程での自分の計画や活動を、自分の力で評価
し修正していける評価活動をさせることが大切です。生徒自身が課題を設定する場合には、自己の能力
にあった課題設定ができたかどうかを生徒自身によって評価させることも大切です
(3)情報の価値を判断することを大切にする。
教師から与えられた知識や技術を学習材料にするのではなく、自分の課題に必要な情報を自分の力で
探し、選択・活用・処理するという、それぞれの過程での、情報の価値を判断することへの評価が大切
になります。
(4)生徒同士の評価活動を大切にする。
教師から評価に関する情報を提供することも大切でありますが、生徒同士の話し合い、発表での感想
など、同じ視線で見た評価が大切になります。
(5)評価を記録に残す工夫をする。
生徒自身が自分の成長を知り、次の学習に生かせるような記録を残すことが大事です。記録は、通知
表形式でなく、課題ごとに評価を記載する枠を作ったり、総合的な学習の時間の記録帳にしたりするな
ど、各学校での独創的な工夫が必要になります。
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総合的な学習の時間の評価は、「試験の成績によって数値的に評価するなど通常の教科と同 様の評 価は行わない」と、教育課程審議会の答申で指摘されています。そこで、評価の方法としては、例えば 次のようなことが考えられます。
(1)観察による評価(主体性・創造性の見取り)
学習対象に対する参加意欲や参加状況などを見取るために、活動の様子や表情、態度などを的確に
観察することが大切です。また、総合的な学習の時間は「自ら考え、判断する力」の育成をねらいの
一つとしていますので、日常生活の中でも観察を行うことが欠かせません。これは、生徒一人一人に
より異なります。主として「個人内評価」が多くなりますので、チェックカード等の活用が考えられ
ます。
(2)作品による評価(学び方・調べ方の習得)
生徒が、自己の課題を発見し、それを追究する。そして自分なりの方法でまとめる。例えば、ある
生徒は新聞づくりという方法をとる。またある生徒は、パソコンを使って一つの作品づくりに挑戦す
る。このように一つの作品には、多くの場合その時間の活動の姿や思考の様子が投影されているもの
です。つまり、生徒なりの「学びの足跡」が作品に表現されていると考えることができます。したが
って、その際特に大切にしたいことは、作品の出来具合・上手下手や報告量の多少、進行の遅速など
だけではないということです。その生徒なりの取り組み方(熱心さ、工夫、情報の収集の仕方、完成
度など)が重要なのであって、その視点から評価に当たることが肝要です。
(3)自由記述による評価(自己の考え方・生き方の追究)
一つの取組について、自由に記述させ評価を行います。これによって生徒の内面を表出させ、そ
れを教師が評価します。例えば、地域の人から話を聞き、それについて「分かったこと、自分の考
え方、思ったこと」などを記述させます。これは、生徒の自己認識や表現技能、感じ方などについて、
一人一人の実態を把握するのに効果的です。この自己評価は、日常的な観察や作品などと併せて全体
としてとらえることも大切です。なお、自己の生き方についてよりよく考えることができるよう、「
自己評価」のみならず「他者評価」「相互評価」を取り入れるなどの工夫が求められます。
(4)「聞き合い」による評価(指導と評価の一体化)
授業中の行動や作品による評価では、生徒の意図や願い、学習上のつまずきなどを十分にとらえるこ
とができない場合も考えられます。そのような時には、教師から直接その生徒に問い掛ける(面接)こ
とも考えられます。また、逆に生徒の方から学習過程で情報収集などのための質問をしたいということ
も出てきます。このように、総合的な学習の時間にあっては、特に、「指導と評価」を一体的に考え、
学習者を評価しつつ、指導法を工夫することが大切です。
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