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高等学校学習指導要領に例示された総合的な学習の時間の学習活動は、小・中学校の活動例とは違って います。高等学校の活動例には、「生徒が進路等に応じて設定した課題について、知識や技能の深化、総 合化を図る学習活動」、「自己の在り方生き方や進路について考察する学習活動」が付け加えられてい ます。
平成15年度以降に、高等学校に入学してくるすべての生徒は、中学校で既に総合的な学習の時間を経験 してきます。生徒の発達段階の観点から考えても、小・中学校に比べ、多様な学習活動が展開できるは ずです。
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高等学校では自己の在り方生き方、進路などについての学習活動がさらに適切に行われるよう望まれて います。また、生徒の学習の選択幅の拡大、進路の多様化が進み、学校不適応生徒等が増加しており、生 徒が自己の学習や進路を自ら選択する能力、積極的に学校生活や学業に取り組む意欲や態度を育成する ことが強く求められています。
このため、総合学科の原則履修科目である「産業社会と人間」での実践成果を踏まえ、自己の在り方生 き方進路などについての学習活動が取り入れられたと考えられます。「産業社会と人間」は、生徒が自己 の在り方生き方や進路について考え、高等学校で何を学ぶべきか、学ばなければならないかを自覚し、学 習内容を自ら選択する能力・態度を培う科目です。「産業社会と人間」での学習活動は、総合的な学習 の時間のねらいにも合致しており、現在、展開されている学習方法・形態からも、総合的な学習の時間 の参考にすべき実践例と考えられます。
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総合的な学習の時間では、各教科・科目等で習得した学習活動の成果を十分に駆使することによ って、特定の課題について多角的に追究し、その過程や結果を通して知の総合化を図る学習活動が 考えられます。また、総合的な学習の時間を通して身に付けた学習方法、知識、考え方は各教科・ 科目の学習の場でも生かすことができます。
私たち教師は、この時間の創設をきっかけに教育の質的転換を図るために、知恵を出し合い、教 科と総合的な学習の時間の関連を、内容とカリキュラムの両面において明らかにしていくことが重 要であると考えます。
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ホームルーム活動の時間として行う場合と、総合的な学習の時間として行う場合では、その趣旨やねらい ・目標等の違いに留意し、実施しなければなりません。ホームルーム活動で行われることは、あくまでもそ の活動の目標を達成するためのものであり、総合的な学習の時間のねらいの下に行われる活動とは異なりま す。結果的に、よく似た内容を行うとしても、ホームルーム活動の「時間」として行うのか、総合的な学 習の時間として行うのかは、明確に区別しておく必要があります。
| 総合的な学習の時間 | ホームルーム活動 | |
|
趣 旨 ねらい 目 標 |
・創意工夫を生かした教育活動を行う。 ・問題解決能力や学び方、ものの考えを育成する。 |
・ホームルームや学校生活への適応と、その充実と向上を図る。 ・生徒が当面する諸課題への対応と健全な生活態度を育成する。 |
|
学習活動 内 容 |
・国際理解、情報、環境、福祉・健康などの横断的・総合的な課題についての学習活動 ・生徒が興味・関心、進路などに応じて設定した課題について、知識や技能の深化、総合化を図る学習活動 ・自己の在り方生き方や進路について考察する学習活動 |
・ホームルームや学校生活の充実と向上に関すること ・個人及び社会の一員としての在り方生き方、健康や安全に関すること ・学業生活の充実、将来の生き方と進路の適切な選択決定に関すること |
| 実施学年 | ・特定の学年でもよい。 | ・全学年で実施する。 |
| 実施形態 | ・毎週でも、隔週でも、ある時期に集中して実施することもできる。 | ・毎週実施する。特定の学期又は期間に集中して実施することはできない。 |
| 活動単位 | ・個人、グループ、ホームルーム単位など | ・ホームルームごと |
| 指導形態 | ・学校全体で指導 | ・原則はホームルーム担任が指導 |
| 単位修得 | ・単位の修得を認定する。 | ・単位の修得は認定しない。 |
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総合的な学習の時間と学校行事を関連付けて相互に生かし合うには、総合的な学習の時間の中で、個人又 はグループで主体的、創造的に調査・研究を行わせ、学校祭を利用し、学習成果を展示発表させたり、研究 発表させたり、討論を行わせたりする方法が考えられます。
また、総合的な学習の時間の中で、修学旅行で行く場所の自然、生活、産業等について、生徒が主体的に 設定したテーマを事前に研究させ、修学旅行を調査、観察など実際の体験的な学習の場として関連付けるこ となども考えられます。
ただし、学校行事を総合的な学習の時間として読み替えることはできません。年間計画などに、学校行事 と総合的な学習の時間をきちんと位置付ける必要があります。
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「課題研究」は職業学科の専門科目の一つとして教育課程上に位置付けられています。それ対し、総合的 な学習の時間は各教科の枠を超えた新たな時間として位置付けられています。 また、「課題研究」は、学習指導要領にその目標と内容が明確に規定されていますが、総合的な学習の時 間は、各学校の主体性と創意工夫を尊重する趣旨から、具体的な目標と内容は規定されていません。
[参考として]⇒「課題研究」は、平成6年度から職業学科及び総合学科をもつ高校で実施されており、 そのノウハウが普通科の総合的な学習の時間への取組の参考になると考えます。職業学科においても、総合 的な学習の時間創設の趣旨やねらいにかんがみて、「課題研究」の内容や方法を改めて見直すとよいでしょう。
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「課題研究」と総合的な学習の時間とは、教育課程上の位置付け以外、大きな違いはありません。
「課題研究」では、設定する課題の範囲が「各教科に関する課題」、目標については、「問題解決の能力や
自発的、創造的な学習態度を育てる」となっており、表現に若干の違いがありますが、総合的な学習の時間と
意図するところはほぼ同じです。
内容も、「課題研究」では学習指導要領に「作品製作」「調査、研究、実験」「現場実習」等、大まかな項
目が示されているのみで、総合的な学習の時間と共通するものがあります。また、実施方法として、「生徒の
興味・関心、進路希望等に応じて、・・(中略)・・個人又はグループで適切な課題設定させること。」との
配慮事項が示されており、この点も共通しています。
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@「総合的な学習の時間」の学習活動により、「課題研究」の履修に替える場合
総合的な学習の時間の学習活動により、「課題研究等の履修と同様の成果が期待できる」場合には、総合的
な学習の時間の学習活動をもって課題研究の一部又は全部に替えることができます。この場合、学習活動の成
果は、総合的な学習の時間の単位として修得を認められるものであり、専門科目の単位数(25単位以上)に含
めることはできません。
A「課題研究」の履修により、「総合的な学習の時間」の学習活動に替える場合
@の場合とは逆に、課題研究等の履修により、「総合的な学習の時間における学習活動と同様の成果が期待
できる」場合には、課題研究等の履修をもって総合的な学習の時間における学習活動の一部又は全部に替える
こともできます。この場合には、課題研究で履修した単位数は専門科目の単位数(25単位以上)に含めること
ができます。また、教育課程に総合的な学習の時間が盛り込まれないことになりますが、それも構いません。
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総合的な学習の時間は教科・科目や特別活動と同様に、教育課程上に位置付けられた授業時間です。基本的 に、授業のある日の授業時間内で実施しなければなりません。夏季休業中や冬季休業中には、原則として授業 は行わないこととされているので、総合的な学習の時間の授業も行うことはできません。ただし、総合的な学 習の時間の趣旨にふさわしいもので、長期休業中でなければできない活動と校長が認めた場合で、年間指導計 画の中に位置付けられているのならば、実施することはできます。
また、学習指導要領では、総合的な学習の時間は「年間35週行うことを標準とする」とはなっていません。 年間指導計画の中で、総合的な学習の時間を配当された単位時間数を行えばよいのです。一つの学年の中に、 授業時数を配当する場合、年間35週行う方法の外、隔週で実施することも、特定の学期 又は期間に集中的に実施することも可能です。
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学校外の学修等(学校教育法施行規則63条の4)なら、校外で、土日や長期休業中にボランティア活動や就 業体験を行い、レポートを出せば、科目の履修とみなすことができます。しか し、総合的な学習の時間では、 休業日に行うことはできません。必ず、授業日に校外活動を計画することが必要です。もし、どうしても行う 必要がある場合は、休業日を授業日に振り替えて実施しなくてはなりません。その場合、所定の届け出が必要 です。
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平成12年度からの教育課程に総合的な学習の時間を加えて編成することができるようになり ました。移行措 置の間は35〜210単位時間と示されているため3年生までに35単位時間の実施でもよく、また、単位を認定する こともできます。平成12年度から必修クラブが廃止されたこともあり、総合的な学習の時間を実施している学校 もあります。各学校で研究を深め、全校的な指導体制、組織づくりをして、総合的な学習の時間のねらいを踏 まえた学習活動が計画できた学校から実施に移すことが大切です。移行措置の期間に実施を予定していない学校 においても、平成15年度からの新教育課程実施に向けて、学習内容、指導体制、授業形態などについて準備が 必要です。
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